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ダンスダイブウィーク イデビアン・クルー「麻痺 引き出し 嫉妬」主宰・井手茂太氏インタビュー

 

2013年9月28日(土)より、北九州芸術劇場・小劇場で開幕する、イデビアン・クルー新作公演「麻痺 引き出し 嫉妬」。現代のダンスシーンの中でも異才を放ち、ダンス界に留まらず、演劇、CM・ミュージックビデオなどの振付や出演でも活躍するイデビアン・クルー主宰 井手茂太氏にインタビュー!
ダンスってどうやって創られるの?ダンサーの普段の生活は?いろいろ迫ってみました!!

 

 

作品を創られる際は、先にテーマを決めてから振付をされているのでしょうか?

振り付け作業で何を大切にしているかというと、“その人らしさ”というか、その人を見て、その人に合った動きを探すのが、振付家の仕事だと思うんです。演出家と一緒で、演出も兼ねて、ただ踊りだけの技術を求めずに、その背景や舞台美術のスペースを考えながら、あとキャラクターを見ながら…。それを考えながら創作しています。

 

演劇・舞台での振り付け方はいかがですか?

お芝居の中で踊りがあると言ったら、じゃあ役者が全員踊るのか、と思われてもちょっと違っていて、『ステージング』という一つの手法があります。人の配置や、例えば男性と女性が歩いて交差する際の距離感を提示したり。それも振り付けだと思っているんです。“踊る”だけではなく、役者がバタッと倒れる。なぜかその倒れたタイミングが全員一緒だったとか、人の配置や移動の流れ、動きのタイミングなど、ちょっとした演出ですよね。

 

今回のタイトル「まひ ひきだし しっと」と、“しりとり”でとても面白いのですが、
タイトルを付けるタイミングなどはありますか?

制作とも話していたのですが、実は『井手さん、1年前からそんなこと言ってたよ』というのがあって。やっぱり前もって、『こういうタイトルで、こういう雰囲気、いいなぁ』というのを身近な人に伝えているみたいですね。記憶喪失になっていますが(苦笑)。でも『これだ!』っていうところまで悩むのと、今回は、7〜8人でやりたいなと。そこから、誰々と誰々、このメンバーでこう、とか、今考えてることとか、タイトルと、組み合わせて、こういうセットだったら面白いな…とか、そこからワァーッときて、決まりました(笑)。

 

作品のインスピレーションは日常の中から生まれてくるのでしょうか?

大体いつもそんな感じですね。暇な時にアウトレットモールに行ったら、『結託だね』と言ってる女の子たちがいて、『結託って何だろう』とメモったりして。『ほぉ〜、今、流行ってんのかな…』とか。動きにも興味があるんだけど、なんか珍しい響きの言葉とか、それを調べると意外と奥が深かったり。なんかそういうのに敏感になっていくんですよ。意味よりは、サウンド的に。

 

オフの時間は何をされていますか?

家電量販店に週一はいますね。なぜだか分かんないけど、洗濯機とか冷蔵庫とか“白物家電”のコーナーが大好き(笑)。あとは普通の散歩するぐらいかな。よく歩きますね。で、よくチャリンコでうろうろする。ママチャリに乗ってます(笑)。ママチャリが楽。いっぱいお買い物したら荷物も置けるしね(笑)。 あともう一つ、暇さえあればスーパー銭湯に行きます。もう、大好き!!お風呂で考える時が多いですね。ボーッと…半日いますよ。4〜5時間。サウナなんかも、もちろん行ったり来たりして、露天風呂でボーッとしたりとか。作品のことも考えなくちゃ、というのも何回かあるんですけど、気付いたらボーッ…と、何も考えてなかったって。で、パッと時計を見たら、『あ、もう2時間経ってた』って、そんなことが多いのかな。でもボーッと何も考えてなかったというよりは、とってもリラックスできたのかなと思って。それで生ビール飲んで、『今日は良い日だったなぁ…良いお休みだったなぁ…』で、そのまま寝ます。まったく普通のオヤジです(笑)。

 

体づくりで注意されていることはありますか?

スポーツジムには行っています。筋力的なトレーニングは週に2〜3回…と言いたいんですけど、やっぱり忙しい時期になってくると、なかなか行けなくて…。行ける時にまとめて行きますね。あとは、エアロビクスが楽しみ。そこから何かヒントが出たらいいなって。動き的なヒントじゃないんです。受ける人たちをずっと見てて『面白いなぁ…』って。おじさん・おばさんが異常に上手くって、『おい若僧、全然おめえ出来てねぇなぁ』とか、『リズム感ねぇんだよ』って言われたり、すっごく楽しいです(笑)。『なんかスポーツとかやってねぇのか』『いや、やってないんです…』って。まさかダンサーとは言えない(笑)。

 

舞台の衣装のイメージは井手さんが考えられていますか?

そうですね。たとえばちょっと前の「排気口」(2008年)という作品は、旅館のテーマでやったんです。その時に、女将さん役がいて、仲居さんたちがいて、全員着物だったり、割烹料理屋の料亭の板前だったり。なんかそういう、日常生活でありがちなシチュエーションから、一瞬でお芝居が始まりそうな雰囲気を作り出して、踊りが始まるのがかっこいいなぁって。僕の中のファンタジーなんです。

 

稽古は、かなりの時間されるのでしょうか?

それはもちろん。もう何度も同じことをやって、そこで、きっかけとか、音とか、お互いの体のシチュエーション、体の動きを覚えてもらうのにそれなりに時間が必要だし、かと言って、何回も練習しすぎちゃって、新鮮さが無くなるということもたまにあるんです。そういう時はもう、本番にとっとこうと、一切そこは練習しないというのはちょっとあります。で、あとは本番間近になった時に、いきなり『これやって』って。『え!?今から!?』という驚きでやってもらいたいと思う。

 

ダンサーをしていて良かったと思うことはありますか?

いや逆に…良かったというよりは、早くやめていれば良かった。もう引き返せない、という思いがあります。引き返せないからもうやるしかない、という運命を背負った、という感じですね。でも、やはり作品を創り出すことが好き。自分が出演するよりは、見守るというか、創り出す過程を一緒に共有したいですね。

 

最後に、北九州のみなさまへメッセージをお願いします。

2003年に「くるみ割り人形」というバレエの古典的な作品をイデビアン・クルーのスタイルでやりました。それ以降、考えてみたら10年…。本当に楽しみにしています。今回は、気持ちがふわっと動くような、何か心が温かくなる作品にしていこうと思っています。

 

 

ダンスダイブウィーク
イデビアン・クルー「麻痺 引き出し 嫉妬」公演情報はこちら

2013年9月28日(土)19:00・29日(日)13:00

 

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