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北九州芸術劇場・パリ市立劇場・山海塾共同プロデュース
 
山海塾「降りくるもののなかで−とばり」記者会見(2008年8月21日)

2005年の「時のなかの時−とき」に続く、北九州芸術劇場・パリ市立劇場・山海塾の共同プロデュース作品『降りくるもののなかで−とばり』。世界43ヶ国で支持される舞踏カンパニー山海塾の主宰である天児牛大さんに新作についてのお話を伺いました。


世界初演(パリ)・日本初演(北九州)について

写真:8/21記者会見

パリで今年の5月に初演を行い、続いて日本での初演を北九州で行います。パリでの公演は毎回新作と旧作の2作品を上演するのですが、今回は新作『とばり』を6ステージ、『とき』を4ステージ行いました。計10公演、定員1000人ほどの劇場がソールドアウトとなり、約1万人の方に見ていただきました。

北九州芸術劇場では5年前より他の作品を含めて公演を行っています。今回も1週間ほど稽古して本番を迎えることになります。初演からさほど時間が経っているわけではありませんが、他の作品のツアーなどを経ていますし、再び今回の新作に立ちもどり、よりディテールを詰めるべく、集中して1週間の稽古に臨みたいと思っています。

『とばり』について

「夜のとばりが降りる」という表現がありますが、ある時点で急に夜になるということではなく、いつの間にか闇へと移行し夜が訪れます。自分が招いているわけでは無いけれども、向こうから自ずとやってくるもの――たとえば、繰り返し訪れる昼と夜、季節の移ろい、時の流れ、生や死、喜びや悲しみなどの「否めないもの」がある。夜空に見える星々は、実際には、数万年前の光を、今の私たちが受け取っている。このように、既に起きてしまったものごとを、時間差とともに受け入れなくてはならない、そういった抗えないものへの認識が、本作のベースになっています。

 

舞台について

背景は黒幕に6600の穴を開けて後ろから光を当てることによって星座の座標となるように作っています。床には楕円のプラットフォームを置き、そこにも2200の小さな瞬きを埋め込んで、場面によって光が静かに浮かび上がったり消えたりするように、そういった暗闇における光の微細な変化で生じたものも見ていただくようにしています。

星というのは以前より温めていたテーマで、各国をツアーで回るときにも、ふと星を見る事があります。今回の舞台の星空は実際の日本の夏の夜空を星図から抜き出して作っていて、床には日本の夏の夜空、背景は北極星を中心とした極北の星座を映し出しています。

写真:8/21記者会見

全体構成としては普段よりやや短くなっています。

7つの場面を私を含めた8人の踊り手で踊っていまして、私のソロ以外の群舞は場面によって7人、3人、5人というように構成に変化を持たせています。

 

音楽について

『とき』と同じ3人のコンポーザーに依頼しています。

以前、加古さんが音楽を手がけたアフリカを舞台にしたベルギー映画があって、“The Quarry(邦題:月の虹)”というのですが、その中の音楽で使いたい曲があったのでそれをアレンジしてもらっています。YAS-KAZさんは中国の楽器で、高音域のオリエンタルな感じの曲を2場面で使っています。吉川さんはシンセサイザーで効果音のような音と楽曲を合わせて3曲作ってもらいました。加古さんの場合は既に作られた彼の音楽を、今回の作品のためにアレンジしてもらいました。

 

山海塾は世界的であるが故に、かえって難しいと思われています。
劇場に足を運ぶためのアドバイスなどはないでしょうか?

写真:8/21記者会見

言葉はないので可変していく時間や空間をトータルで見ていただき、観る方それぞれにとって日常の生活の中で向き合っていないものと向き合い、自分の身体や想起できるイメージとの出会いの場になれば嬉しいです。それぞれの感性で観る、ということが舞台の醍醐味ではないでしょうか。

劇場は、ドアを開けて中に入ると非日常、再びドアを開けて出て行くと日常に戻っていくという、呼吸のような場所です。日常とは違った時間や空間を体験して、見てくださった方に自己発見していただけると嬉しいですね。

 

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